アニメ「はだしのゲン」を視た。戦争、核を改めて考えさせられた!
戦争は今現実だ。
ウクライナ、ガザ、のみならず世界各地で戦乱が勃発し、収拾の見通しもたっていない。この数年だけでも市民のみならず戦場の兵士も含めて数万以上の人が犠牲になった。レバノンでは9月下旬からのイスラエル軍の空爆エスカレートにより、はや1000人以上が死亡し、100万人が家を追われたとBBCニュースが報じていた。こんな21世紀って何?
8/10 WOWOW放映
今回は「はだしのゲン」「はだしのゲン2」が連続で放映された。それだけでなく、関連したドキュメント番組2本も放送された。「『はだしのゲン』と父 翻訳者 坂東弘美」(NHK E テレ )と「『はだしのゲン』の熱伝導~原爆漫画を伝える人々」(BS12 トゥエルビ)だ。
恥かしながら私は「はだしのゲン」の存在をずっと前から知ってはいたものの、本を手に取り見ることもなく最近まで来た。おそらく漫画であることと、自分なりに捉えているつもりの原爆が題材にされていたからかもしれない。
でも、今回は映画化されたアニメだということに加え、あちこちから漂ってくるきな臭い匂いが私を視る気にさせた。
さらに戦争当事国の権力者の発言や政治家の物騒な言動が怒りや不安を掻き立てていることもあった。
一つはロシアの大統領だ。核抑止力に関するロシア国家安全保障会議で「核兵器保有国から支援を受ける非核兵器保有国からの攻撃に対し、核兵器で反撃できるとの基本方針」を明らかにしたのだ。核保有国でない国にも核攻撃をするという恐ろしい宣言だ。(朝日新聞9月26日夕刊)
ロシア語でも見ることができる「はだしのゲン」
もう一人の怖い話は、ここで新しく政党の総裁になった方が実行したいことの一つとして挙げていることだ。
彼が総裁になった政党は、数年に渡って国会での十分な審議もせずに実質改憲のような安保の改変をしてきた。集団的自衛権の行使や敵基地攻撃能力などを「できる」ようにしつつあるのだが、それらを前提にした上で、さらに「アジア版NATO」の必要性を主張し、それをどうしてもやりたいと言っていることだ。
同盟国が攻撃されたら一緒に戦争するという軍事同盟だ。
既にアメリカは在日米軍司令部を統合軍司令部として改編し自衛隊の統合作戦司令部(陸海空3自衛隊を平時から一元的に指揮する司令部)との連携を強める仕組みにした。最近新聞で見たんだけどね。
さらに組閣にあたって、これまでに防衛省に関わった人達が多く起用されたこともその推進の為なのかと思ってしまう。驚くのはこの方がアメリカのシンクタンク「ハドソン研究所」に寄稿した論文で核兵器を米軍と日本の自衛隊がシェアすることを提唱していたことだ。(朝日新聞9月29日)
まさかの戦争が間近に迫っているような気配を感じるけど大丈夫かな?。
中国船やロシア機の接近のみならず自衛艦の台湾海峡通過等などもあったしね。
アニメ「はだしのゲン」は戦時中の広島市内での庶民の生活が描かれる。食料不足の中で、ひもじい思いをしながらも、家族そろった睦まじい生活をするゲン一家の様子から始まった。
職人の父親は非国民と言われても戦争反対を貫ぬく人だった。
アニメの中で父親はゲンたちに言っていた。
「人を殺しあう戦争が正しいはずなあじゃろう。非国民と罵られてもええ、卑怯者と言われてもええ、人の命や自分の命を守るのが本当の勇気じゃ。そのための戦いだけが本当の戦いじゃ」
でも、権力者と軍部は戦争を止めなかった。
そして、8月6日がきた。
画像はアニメ「はだしのゲン」より
ゲンの父も姉も弟も、爆風で飛び散った家の下敷きになり、押し寄せる猛火に焼け死んだ。
広島市民は年末までに14万人が亡くなり、8月9日の長崎原爆投下では7万人が亡くなった。
視聴できて良かった。いわゆる原子爆弾や被爆の実相を改めて考えさせられた。
それにしても、今年は「核」を考えさせるあれこれが溢れた年だ。
映画「オッペンハイマー」で原爆の父といわれていた方が話題になった。
原水爆禁止世界大会長崎ではイスラエル絡みで欧米のダブルスタンダードが問題になった。
その長崎では被爆者と被爆体験者というおかしな線引きが浮き彫りになった。
広島、長崎、そして第五福竜丸に加えて「第四の被爆」の実態が明らかにされた。
1958年海上保安庁の船が米軍の太平洋上での水爆実験で被爆し、乗組員が一年後に急性骨髄性白血病でなくなっていたことだ。
まあ、つけ加えれば福島でのデブリ取り出しの失態などもあったな。
・・・・と、かくのごとくだった。
彼岸花の白が紅に遅れること10日で咲き始めた。
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