磐石だと思っていたところも意外に脆弱なんだね。自動車会社、電気メーカー、テレビ局。
最近の自動車業界のあれこれを見ていて、改めてそうだったのかと思い知った。とりわけ日産自動車がこんなにも業績を悪化させていたのかと知ることになった。(昨年11月発表 2024年度上半期業績から)
私も日産のブルーバードやセドリックに乗っていたことがあったから気になるね。セドリックと言っても高級セダンではなく、子供たちとキャンプなどに行く時の荷物搬送用に使えるワゴンタイプの中古車だったけどね。
今の愛車はトヨタ製。
このところトランプさんが矢継ぎ早に出す大統領令の影響を見るためか、あれこれの業界の業績などが公にされている。トヨタなどは世界的にみても販売台数ダントツなんだね。発表された2025年3月期の業績予想を見ると凄い。円安も業績を押し上げているのだが、売り上げが47兆円、純利益を4兆5200億円と見込むというから驚く。小国の国家予算のようだ。
自動車業界も生き抜くための世界戦略を練っていて、提携やら統合が検討されてきた。もし実現すれば世界の自動車産業の勢力図を塗り替えると言われていたホンダと日産自動車の経営統合構想は、あれこれの経緯の中で破綻した。三菱自動車も当初関係していたのだが株の時価総額がホンダの十分の一ほどでしかなく、そのまま行くと経営の自主性が失われる可能性ありと判断し統合を早々に見送っていた。
山一証券など金融関係もかつてそうであったし、流通業界の盛衰も激しく、デパートやスーパーが街から撤退して行くのを目の当たりにしてきた。一般消費者としては愕然とすること度々だ。
つい数日前にもヨーカ堂の売却交渉の話が報ぜられていた。
セブン&アイHDがイトーヨーカ堂などを束ねる中間持株会社「ヨークHD」をアメリカの投資ファンドへ売却する方針を明らかにしたのだ。
電気メーカーも例外でない。
現在使用しているパソコンはdynabook なのだが、東芝製品として購入したものの、しばらくして電気店に行って分かったのだが、わが愛機は購入後数か月しか過ぎていないのに、商品名は同じであるにもかかわらずDynabook株式会社製品となっていた。その会社は2020年8月にはシャープ株式会社の完全子会社となった。
そのシャープ、我が家のテレビもAQUOS (シャープ製)なんだけど昨年8月にはその液晶パネルの生産を終了していたんだって。国内メーカーとしては同社堺工場がテレビ向け大型パネルを唯一手掛けていたので国内の生産拠点は無となってしまったということだ。
AQUOS なかなか画面が美しい
毎週番組をチェックしながらこれはという作品やドキュメントを録画している私にとって驚きというか、「何これ」と声をあげそうになった記事があった。先月1月24日の新聞経済欄を見て、ため息が出た。ソニーグループがブルーレイディスクなどを2月に生産終了するというのだ。私は映画などをソニー製の100GBディスクに保存していた。すぐに電気店に向かった。まだ普段通りに陳列されていた。でも、在庫が一掃されればもう買うことはできない。
理由も記されていた。近年はデータの保存先が記録メディアからインターネット上のクラウドストレージに移行し、ネット上で映画や音楽を配信するストリーミングサービスが普及してきているからだそうだ。
テレビ局をめぐっても驚くような変化が生じている。
中居氏をめぐってのフジテレビにもビックリさせられた。
1月17日のフジテレビ社長会見後、スポンサー企業がCMをACジャパン公共広告へ差し替えたり、差し止めてきた。1月20日にはCMを差し止めた企業は75社にものぼった。
このような展開があったのは「ビジネスをする上で人権を重視すべきだという考えが国際的に強まってきた」(朝日新聞1/24付1~2面)ことがあるようだ。
朝日新聞1/24朝刊2面
それにしても、芸能人の個人的スキャンダルと見ていたことが、問題はそもそもテレビ局の体質からだと捉えられるところまで進展し、30日に開かれたフジメディアHDの取締役会では結論として、広告差し替え分やキャンセル分について広告代を請求しないことを確定した。結果としてCM 収入が233億円も減少する見込みだと報ぜられた。驚かされた。(毎日新聞デジタル1月30日)
でも、問題はそこに留まらないようだ。
地上波民放地方局の多くはフジやTBSなどのキー局を中心とする系列下にあり、朝から深夜まで放送される大半の番組はキー局制作番組なのだ。大口のCMは大部分をキー局が営業し、契約を取っている。その売り上げの一部が地方局に分配されるという仕組みのようだ。地方局はフジテレビのCM収入が減ればその影響は免れず深刻な事態も予想されるのだ。
テレビ局について言えばもう1つ、BSチャンネルの大きな変化だ。
2025年1月10日「BS10」が開局した。
昨年中から、TV番組表を観ていて、どうしたのかなと思っていたことがあった。
3チャンネルあったスター・チャンネルが1チャンネルになっていたからだ。
2024年6月に東北新社が保有していたスター・チャンネルの全株式がジャパネットHD傘下のジャパネットブロードキャスティングに譲渡されていたのだ。
ジャパネットは2022年3月より無料チャンネルのjapanext 263チャンネルを運営していた。その時同時にBS松竹東急260チャンネル、BSよしもと265チャンネルも始まった。
スターチャンネルの全株式を保有したジャパネットは昨年8月それまでのjapanextにスターチャンネルを融合させ名称も「BS10 スターチャンネル」とすることにしたのだ。結果無料チャンネルの「BS10」と有料チャンネルの「BS10+ スターチャンネル」が2025年1月10日からスタートした。
面白いなというか、楽しみが増えたなと思ったのは、上掲の三つの番組だ。
無料チャンネルで週に3人が別番組で映画を紹介するのだ。
「70~90年代の懐かし映画」を野村雅夫さん、「世界中の名作映画」を舘ひろしさん、「新作、準新作 娯楽映画」を加藤浩次さんとよしひろさんが案内してくれる。どんなものになるやら。観たところで紹介したいね。
子供の頃実感した現実社会。それは揺るぎのない社会、変わることはない現実だと思っていた。しかし、10年過ぎ、20年経つにしたがって脆くも壊れていくものが眼前にあった。絶えぬ紛争、地域毎の格差、難民の発生、それらにも起因するだろう各国の右翼の台頭。
そんな流れのなかでトランプさんも出番が用意されたのだろうけど。
子供の頃描いていた未来・・二十一世紀とちょっと違う世の中の動きだ。
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