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2025年2月 6日 (木)

真田広之さんが切っ掛けで観たのだけどジョニー・デップもすごいね。映画「MINAMATA 水俣」!

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真田さんの出演作観賞の第一作に「MINAMATA水俣」を選んだ。

観終わった。一番強く私の脳裏に刻み付いたのはユージン・スミス(William・Eugene・Smith)の壮絶な生涯だった。

彼が高校生の時、父親は散弾銃で自殺した。第二次世界大戦が勃発し、ユージンは得意な写真撮影を生かし従軍記者になった。沖縄戦従軍の際に日本軍の迫撃弾で負傷し、その後遺症で生涯悩まされた。1947年以降ライフ誌などでフォト・エッセイ形式の写真発表をしていた。1971年になり、さまざまな繋がりの中で水俣と関わるようになる。翌72年チッソ五井工場での座り込み抗議で暴行を受け、完治することのないケガを負った。結局それが死の遠因となった。(59歳没)

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ユージン役を務めたジョニー・デップは「あの海賊と同一人物なのか?」と思わせる見事な演技だった。

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パイレーツ・オブ・カリビアン 2003年 第一作より

こんなにキリッとした海賊と、ウイスキーのボトルを寝ても覚めても離せない者を同一役者が演じているなんて。

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MINAMATAより

やはり素晴らしい役者だね。なによりも水俣病とその闘いに着眼したのが凄い。

主演者として登場しているけれど製作者でもあった。

映画は水俣病について改めて考える機会となった。

水俣病については新聞や雑誌に掲載された患者の写真や石牟礼道子さんの「苦海浄土」などで表面的に知ってはいた。

國村隼の演じるチッソ社長の弁舌を聴いて、公害も含めて周辺住民に被害をもたらしている企業などの責任者の言うことはみな似通っているなと感じさせた。

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社長はユージンに向かって言った。「微量な異物は何処にも混じっている。大金を投じて作ったサイクレーター(排水の浄化装置)」に異物が残っていると言われているが「私が自ら、その水を飲み、安全を証明した」との言い訳だった。福島の汚染水処理と東電の言い訳と全く同じだ。

社長の話はまだ続く。先の言い分などが通じないと見るや開き直った。「だがこう言っては何ですが、彼ら(水俣病の人々)は”ppm"(わずかな量)にすぎません。社会全体の利益の前では無に等しい」と。まあ、本音だね。トランプさんの「石炭どんどん燃やせ」と五十歩百歩かな。

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汚染された海なのだが映像は美しい。

実は現在の日本では70年代の不知火海のようなロケーションを見つけるのは困難だという判断で旧ユーゴスラヴィアのセルビアとモンテネグロで撮影されたとのこと。上の写真はモンテネグロのティヴァトという街の海岸線。水俣湾とそっくりだそうだ。

ところで、この映画、真田広之さんの演技やら果たした役割を見せてもらうために観たのだが、このMINAMATAを監督したアンドリュー・レヴィタス監督の「日本人以外が日本人を演じることは一秒たりとも考えなかった」という意向から真田らが起用されたようだ。

そして、真田はこの映画撮影時点での演技の高評価は言うまでもなく、「SHOUGUN」撮影時にプロデューサーとして力を発揮した「日本の描写や日本人の演じ方の助言」でも、この映画で早、頼りにされ評価もされていたようだ。

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補償を求める運動の先頭に立ったヤマザキ役の真田

ジョニーのユージンの演技や真田のヤマザキの演技を見た当時を知る水俣の人々から、そろって「ユージンがそこにいる」「(ヤマザキのモデルとなった方に)そっくりだ」という声が上がったようだ。

様々な切っ掛けや興味から様々な映画を観ようとなるのだが、そんなことを通して色々なつながりが出てくるから面白い。

MINAMATAを観始めて冒頭に近い画面に出て来た人に驚いた。ゴールデングローブ賞でSHOGUN助演男優賞を獲得した浅野忠信さんだった。

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確かに日本の俳優でも海外からオファーが来ている国際派は結構いるようだ。

浅野忠信さんもその一人で、これまで五か国の映画に出演したようだ。

先に出た國村さんもその代表格の俳優で、なんと7か国の映画に出ていた。

たまたま、このブログを書きながらTVの番組表を観ていたら嬉しいことに國村が出演する韓国映画「哭声・コクソン」(2017年日本上映)が2月8日にBS松竹東急で放映されることが分かった。早速録画セット。

國村はこの映画出演で韓国最大の映画祭典である青龍映画賞(チョンニョン映画賞)で男優助演賞と人気スター賞をダブル受賞した。(第37回映画賞にて)外国人初のダブル受賞だというからすごいもんだ。

もう一つ繋がった面白いこと。

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朝日新聞の連載に「語る 人生の贈りもの」があることを時々紹介してきた。

現在進行中なのが泉谷しげるさんだ。

2月3日の語りで20歳ころの事が書いてあった。世の中が騒然としていたころ、1970年ごろで、部屋にこもってばかりもいられないと外に出たそうだ。東大の赤門なんかの学生集会に行って、たまたま水俣病のことが出てきた。アジ演説の学生が大学の責任を論じ、東大が医学的に公害として認めないから、こんなことになった何て話を聞いて「へえ」と思ったんだって。ただ、アジの中で感じたのは彼等のエリート意識で、「我々が労働者を救うんだ」みたいなことを言っていたようで、泉谷はどっちかというと労働者の方だから「こいつらちょっと嫌かな」と感じて集会にも行かなくなったそうだ。

ま、いろいろなアプローチがあるな。そんな泉谷しげるさんの番組が今晩(2月6日)22時からのNHK地上波「SONGS」で”泉谷しげる30年目の神戸で吉田拓郎の名曲熱唱”だって。

いろいろ繋がっていくもんだね!

 

 

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