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アニメ・コミック

2024年1月12日 (金)

舞台「千と千尋の神隠し」ーー 芝居作りってこんなにすごいのか? そう言えば、宮崎駿監督作品がゴールデングローブ賞受賞だね!

新聞1月1日版は毎年のことであるが分厚く重い。新聞ポストが朝刊だけでぎゅうぎゅうだ。

それもそのはず通常の朝刊部分の紙面だけで38面もあり、おまけに新年の別刷りが2部から5部まであった。ちなみに2部のテレビ・ラジオ特集だけで24面もあったのだ。

その中で目に留まったのが第3部「エンタメ」特集の一面だった。

「行こう トンネルの向こうへ」とのタイトルがついていた。副題は「舞台『千と千尋の神隠し』千尋役」とあり、二人の名前が併記されていた。

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朝日新聞元旦別刷り第3部一面

なんとジブリ・アニメ映画「千と千尋の神隠し」を舞台化し、ロンドンで上演するというのだ。

物語の主人公千尋役オーディションで川栄李奈さんと福地桃子さんが選ばれたのだ。

舞台化そのものにも驚いたが、翻案・演出するのがイギリスの舞台演出家のジョン・ケアードさんだということにもすごいと思った。

私は知らなかったのだけれど、記事を読んで分かったのだが初演は2022年だったようだ。

その時から登場人物は各役がダブルキャストだったようで、千尋を橋本環奈さんと上白石萌音が演じていた。

今度は4人で演じることになった。

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我が家の録画ストックを確認したところ次のタイトルがあった。

「二人のディスタンス『千と千尋の神隠し』 橋本環奈 上白石萌音」(2022年5/5 NHK)

「プロフェッショナル 仕事の流儀 ジプリと宮崎駿の2399日」(2023年12/16 NHK)

「もうひとつの千と千尋の神隠し~舞台化 200日の記録」(2023年12/31)

 

先ずは、「二人のディスタンス・・・」から見始めた。

萌音さんは15歳で映画デビューをされ、周防正行監督「舞妓はレディ」で主役を務めた。

環奈さんはさらに早く11歳の時に是枝裕和監督に見出され「奇跡」や「今日から俺は!」に出演した。

萌音さんが一歳上のお姉さんで舞台初演時は23歳、環奈さんは22歳だった。二人は全く真逆の性格を自認していた。環奈さんは目立つことが好きで、活発なお調子者だったそうだ。一方萌音さんはどちらかというとひかえめな女の子だったようだ。この二人がダブルキャストとしてそれぞれ千尋を演じる。初対面だった二人が4か月の間にどのように変わっていき、芝居がどのように作られていくかが番組の主題だった。

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 4ヶ月の稽古で二人はお互いに「本当に大切な存在」になっていったようだ。

面白いのは「大切な存在」と言っても意味するところがちょっと違うことだ。

環奈さんは「言ってくれる人」と応えた。先に触れた性格からなるほどと思えるのだが「人から何か言われることが苦手。~~そんな態度でいると、だんだん言ってくれる人がいなくなる。それで、あらためて言ってくれること(萌音の)ありがたさが分かった。」(環奈)

萌音さんは「一人になって寂しくなった時、ふと思い浮かぶ人」と応えた。

こんなことを綴っていると新たな情報が入った。

5日に日本テレビで「アニメ版『千と千尋の神隠し』」が放映されるようだ。早速録画して観た。

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アニメに登場する建物

視聴後感じたのは、アニメーションであれば実物以上に大きくスケールアップしてでも表現できるのだけどアニメを舞台で再現しようとした時、どこまで可能だろうかと言うことだった。

上はアニメで描かれた建物。下の写真がモデルにされたと言われている「阿妹茶芸館」。台湾九份の賢崎路に建つ提灯飾りの建物の一つ。

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2013年4月 友人たちとの台湾旅行にて撮影

アニメは面白かった。ジブリ作品は何本か観ていたが「千と千尋・・」は今回初であった。さすが2003年アカデミー長編アニメ映画賞受賞だね。

舞台の話に戻れば、アニメ観賞後に先に感じた「どのように表現するの」と言う思いがさらに強まった。

「もうひとつの千と千尋の神隠し~舞台化200日の記録」を観て納得と言うか分かった。

まさに上演当日まで試行錯誤が続いていた。小道具の作りから演技表現まで。

登場キャラクターは演劇の中ではこんな風になった。

食べ過ぎて豚になったお父さんとお母さん。

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怒ると怖い湯婆婆。

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釜爺。

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そして千尋の味方のハクの化身「白龍」ニギハヤミコハクヌシ 。

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白龍の登場で正月早々のアニメの放映は辰年絡みで放映されたのかと納得したりして。

ところで、ジョン・ケアード監督の演劇演出には出演者皆納得し感心していた。

稽古途中でコロナ感染者がでて何度か休まざるを得なかったことがあったものの、無事当日を迎え大盛況に終わった。

出演者達もそろって「舞台の隅々まで生かし切る演出で全部が意味あるものになっていく。全部が輝きだす。ジョンのマジックだ」と評し、信頼していた。視聴していてもジョン監督の演出ぶりと、ダブルキャスト俳優たちの稽古途上での成長と連携のプロセスに面白さを感じた。とにかく凄いと思った。

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最後に「プロフェッショナル 仕事の流儀 ジブリと宮崎駿の2399日」を視聴した。

最初は細かい内容は知らなかった。宮崎監督の足跡を映像化しただけかと思っていた。

確かにそうであったが、最終的に「君たちはどう生きるか」の制作過程が描かれていた。

なんと1月9日付朝刊で第81回ゴールデングローブ賞をこのアニメが受賞したことを知った。

たまたま元旦の新聞でジブリ作品の演劇化とイギリス上演を知り感心したのであったが、なんの縁があったのか面白い!おめでとうございました!

2019年8月31日 (土)

嫌な事件が多いいね!忖度すり寄り、同調圧力、買い被り暴力。アンチテーゼになるか新海誠作品!

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BS日テレ 木曜シネマ☆イブ 予告編より

この数年の事件やら社会問題を見ると、誰でも感じるように(?)、そこには忖度や権力へのすり寄りが高じた結果であったり、買い被りが極端な承認要求となり放火やらあおり運転暴力に至ったかのようにも見える。

そして最近、何よりも感じるのはひたひたと押し寄せる同調圧力だ。特に外交問題などを見ていると感じる。

8月31日付け朝日新聞朝刊の声の欄に「戦争遂行した時代の空気をどう伝えるのか」という投稿の中で現在を憂う話があった。その中で「同調圧力」とは行動も考えも周囲と同じでなければ許されない「空気」だと述べていた。

そして末尾に皮肉的に「空気を読み、権力者の意向を忖度するのが上手な国民」とあった。

同感するところがあった。国民総体はともかくとしても、周りを見ると小さな「会」からはじまってちょっと大きめの団体までこの「同調圧力」を感ずることは、思い返せばしばしばあったな。

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そんな時に、新海監督の新作が発表され、たまたま私も新海作品を紹介する冊子を読み終えた。(入院時読書)

この津堅さんは新海さんを高く評価し、「彼は日本アニメ史から見れば、はっきりとその文脈に乗っかり、その延長線上にある一方で、まったく異質な側面も少なからず備えています。こんな監督は、日本アニメ史100年の中でも稀な存在です。」(本文204ページ)と記した。

また、新作「天気の子」がヒットしていることを受けて作品、監督に関わる論評も多く出てきた。

その中に、「天気の子は同調圧力へのアンチテーゼ」ということを書いたものがあった。ネット上で読めるものでは片岡徹也さんの論評を始めとし何人かのものがある。

私は、「天気の子」はまだ見ておらず、新海作品も3本しか見ていなかった。そこで、我がライブラリーにあった「雲のむこう、約束の場所」「秒速5センチメートル」を鑑賞した。そして、あわせて京都アニメの「響け!ユーフォニアム~北宇治高校吹奏楽部へようこそ」を観た。

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「雲のむこう、約束の場所」より冒頭部分より

「雲のむこう・・」は2004年に公開された作品である。

描かれている時代はまさに今頃、しかし、状況は異なり第二次世界大戦後の戦後処理で日本が戦勝連合国により分割統治されて北海道が別の国になっているのだ。そのようなことで、事前の予備知識的説明を必要とすることもあり、全体として難解かなという印象を持った。

この戦後処理としての日本分割統治は実際検討されたことで1.北海道・東北はソ連統治、2.関東・中部はアメリカ統治など6地区に分割されたものだった。

アニメの描画は素人目にはなかなか美しいものだが、ただ「言の葉の庭」などを見たものにしてみると、生意気だが、まだその域に達していないなと思った。「新海誠の世界を旅する」の著者:津堅信之さんの評によれば「新海にとっての初めての長編であり、多くのスタッフとの共同作業となった。本人にとっては愛しさよりも巨大な反省が迫り上がった作品」だったようだ。

次に「秒速5センチメートル」を観た。

公開は2007年。全編63分の作品を三幕構成とした作品。

画像もぐっと超リアルになってきた。

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この作品については海外でも評価されたようだ。

中国人SF小説作家がいる。

本格SF小説「三体」が中国国内で累計2000万部という大ベストセラーとなっている劉慈欣さんだ。

彼は日本のSFでは小松左京などが気に入っているが、最近は小説の分野では小松に匹敵する人は出ておらず、どちらかというとアニメに注目しているとし、宮崎駿と並んで新海誠を取り上げ、特に「秒速・・・」が好きだと語っている。(朝日新聞8月13日)

最後に突然の悲報が届いた京都アニメーションの作品だ。

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「響け!ユーフォニアム~北宇治高校吹奏楽部へようこそ」だ。

ここに総作画監督として名前の出ている池田晶子さんも放火事件の犠牲者の一人だった。まだ44歳だった。

描画の細かいことについては何も言えないが、キャラクターのつくりやストーリー展開、画面構成など素人目にもいいものだと思った。

7月19日の「天気の子」公開時のインタビューで新海監督も京都アニメに触れている。

この「天気の子」には京都アニメ出身のスタッフも参加していて「ここは京アニぽくしましょう」というような話をすることもあったようだ。

アニメの本質的なことについても語っている。「アニメーションはある種、人の欲望に忠実なメディアだと思います。見たいものを見せる、可愛いものを可愛く描く、人の想像力で形作られたもので、現実とは少し違います」と。

少しアニメを見始めると欲が出てきた。ちょっと遡って宮崎さんの作品も見直ししてみようかなと思い始めた。