火垂るの墓(高畑勲監督)そして瀬戸内少年野球団(篠田正浩監督)を観たよ ! 共に80年前の事を描いていた。
「火垂るの墓」が国内で初めてネット配信されると新聞で大きく取り上げられていた。海外においても戦争が引き起こす事象についてリアルに描かれていることで注目されたともあった。(朝日新聞5/15)
特にベトナムでは大きな共感を得られたという。同じアメリカに無慈悲な無差別攻撃をされ、多くの家族が泣かされてきたからね。
ベトナムの人々は語っていた。「別の国の物語と思えなかった。ベトナム戦争世代の祖父母からよく聞いていて、空爆被害もそっくりで驚いた」と。
日本が戦後80年なら、ベトナムは1975年終戦から50年だものね。
「火垂るの墓」の記事から4日後、故人となった映画監督篠田正浩さんの記者インタビュー回想が連載で始まった。(エンドロール 映画監督 篠田正浩 朝日5/19~5回)
その中で監督の手掛けた作品のいくつかが紹介され「火垂るの墓」と同時代、同背景を対象とした作品が「瀬戸内少年野球団」だと知った。終戦前後という時代だけでなく神戸と淡路島という地理的関係も近い。
この「少年団」の原作が阿久悠さんだったとは知らなかった。阿久さんが亡くなって早18年にもなるんだね。しかも70歳で生涯を終えていた。「火垂るの墓」の原作者野坂昭如さんはちょうど10年前に85歳で亡くなっている。
アニメと劇映画、二つとも観たくなった。
我が家の録画ストックを探った。
両方とも録画した記憶があった。
なんとか見つかった。
「火垂るの墓」は2019年8月15日の終戦記念日に放映されていて録画した。
「瀬戸内少年野球団」はさらに遡ること3年。2016年3月18日に録画してあった。10年近く前だ。
「火垂るの墓」は1988年に公開された高畑勲監督(ジブリ)の作品だ。
冒頭は主人公の少年が餓死寸前で鉄道のガード下のようなところで横たわっている場面からだった。上の画像は米軍B29が軍事施設でもない民家を焼き尽くすように焼夷弾を落としているところだが、アニメの中では凄惨な戦闘シーンなどは他には一つも出てこない。
戦災孤児となった主人公と妹が必死に生きて亡くなっていく様子が描写される。
瀬戸内の海岸で遊ぶ兄妹
「瀬戸内少年野球団」は1984年の作品だ。篠田監督は70年代には前衛的な作品で注目されていたのだが、80年代に入ってエンターテインメントの作品を手掛け、その代表作がこの映画だそうだ。
確かに、観賞していてストレス抜きで物語にスーと没入できた。起用されている役者も、夏目雅子、郷ひろみ、渡辺謙、さらにはちあきなおみ、そして監督の奥さんである岩下志麻などその当時としては馴染みの方々だった。今、国際派俳優として活躍されている渡辺謙さんだけど、とても若々しく、ツッパリの演技がなかなかだった。
亡くなったはずの夫が片足を失った傷痍軍人として帰還するのだが、それを演じたのが郷ひろみだった。
こんな精悍な郷さんにお目にかかったのは初めてだ。
映画は天皇が敗戦を伝える「玉音放送」を校庭に並ばされた生徒たちが聞かされるている場面から始まった。
生徒たちがラジオを聞きながら「何を言っているのか分からない」などと言っているうちにタイトルが出てくる。
バックに流れる「玉音」の声がだんだんジャズに変わり、タイトルがアメリカ国旗で塗られた。
淡路島からの瀬戸内海の眺め
主役の夏目雅子さんも若くしてお亡くなりになっている。1985年9月に27歳でだった。
「瀬戸内少年野球団」は1984年6月公開で、同じ年9月に公開された「北の蛍」が彼女の遺作となったようだが、「北の蛍」ではナレーターとしての出演だった。ということは、映像でその姿を見れたのは「・・・野球団」が最後だったのかな。
「・・・野球団」は1984年のキネマ旬報の賞で映画部門及び主演女優部門のベストテンに共に入った。映画は3位、女優としては5位にランクされていた。
ちなみに「火垂るの墓」の評価はどうだったかとみると、1988年度の第31回ブルーリボン賞の特別賞を受賞していた。
郷ひろみ演じた傷痍軍人が元中学野球の選手であったこともあり、中学生になった子供たちが野球チームを作った。他校のチームと戦った初戦ではぼろ負けしたのだが、機会あって進駐軍の野球チームと対戦することになった。
練習の甲斐もあって、それなりに加点していった。試合の最終盤に勝敗が決まる肝心の一打で転がったボールが飛び出してきた犬にくわえられ持ち去られるという珍事が発生し、結局引き分けという裁定が下された。
こんなハッピーエンド的にジ・エンドとなるのだが、二つの映画共に戦争が呼び起こす悲劇を十分に伝えてくれた。
爆撃や殺戮そのものでなくとも、結果としての廃虚、戦死、一家離散、戦争未亡人、傷痍軍人、無事帰国したものの戦争犯罪人として逮捕され死刑などなど。
高畑監督も語っていた。「本作は決して単なる反戦映画ではなく、お涙頂戴のかわいそうな戦争犠牲者の物語でなく、戦争の時代に生きた、ごく普通の子供がたどった悲劇の物語を描いた」と。
今も続くアジア、アフリカ、ユーラシアの「humanitarian crisis」 nantoka naranですかね!














































































































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