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小説・ドラマ

2024年2月 8日 (木)

中国科幻(SF)「三体」なかなか面白い!中国国家体制のイメージを変えたよ!


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三体的異常寒波?首都圏でも大雪!2024年2月5日

小説「三体」は中国のSF (科学幻想)作家 劉慈欣さんの作品だ。

2006年にSF 雑誌「科幻世界」に連載され、2008年に中国語版単行本が出版された。

2014年に英訳版が出版されたことで中国国内での人気がさらに世界に広がり、多くの人が認めるところとなる。そしてアジア人としては初めてヒューゴ賞の受賞となった。

日本では2019年7月に早川書房から邦訳版が出版された。

私自身その時、書店で手に取ったのだがハードカバーで分厚く重量も内容もズッシリと感じた。

結果、購入もせず読むこともなかった。でも、新聞やらネット情報の評判を聞いていたので気にはなっていた。

そうしたところwowow の月刊プログラムガイド誌2023年10月号に10月7日から12月にかけて全30話が放映されると記載された。

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録画予約をセットした。12月10日、30話の録画が完了した。

1月後半から視聴を開始。本日までに第15話を観た。

ドラマを見初めて、感じたのが、ストーリーの展開や想定された条件とか状況の斬新さに加え演じる役者たちの行動・振る舞いや飛び出す言葉がイメージしている中国像と大分かけ離れていることだった。

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最近の中国についてはTV や新聞報道でしか知る術はないのだが、武漢のコロナやら台湾の総統選挙、そして南シナ海の領有権等に関わっての軍の動きと米中対立そして指導部の言動から何か物騒で油断ができず、日本をこんな体制にしたくないな等の思いが醸成されて来た。当然そのイメージは取り巻く諸国の意図的デマも加わっていることは十分承知しているんだけどね。

そういった思い込みが覆されるようなドラマなのだ。

刑事と科学者が登場するのだが、刑事はドラマ「相棒」の「薫ちゃん」(寺脇康文さん)顔負けの活動スタイルと言葉を吐いているし、科学者は「ガリレオシリーズ」の「湯川教授」(福山雅治さん)のようにルックスも頭の回転も良い。(湯川さんは昇進時期は知らないけれど助教授、准教授、教授と肩書きが変わってきた)

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何よりもストーリーなのだが、従来の中国的イメージからすると何らかのプロパガンダが織り込まれるじゃないかと身構えるのだがそれもない。まあ、文化大革命時代かと思える映像と労働歌のような音楽が流れるのだが、これもドラマの伏線であって決してプロパガンダでない。文革時代に父親を亡くした女性科学者がおり、そんな事情が背景にあっての回想シーンのように見受けられた。第11話でその辺りが詳しく描かれた。15話まで来てそれだけでないことを暗示するシーンが出てきたけれど。

また、登場人物の話の中に古今東西と言うよりも、所謂、西側の科学者やら伝説的人物の名が出てくるのだ。ニュートン、コペルニクス、アインシュタイン、そしてゼウス、モーゼまで。老子、荘子、孟子、孔子 などの中華的古典は別格として、どちらかと言うと教条的毛沢東主義に感化されているようなイメージが作られてきたことからすると意外だった。

考えてみれば、今や世界第二の経済規模や軍事力を持ち、ロケットを月まで飛ばす実力があるのだから、見せかけだけでなく総体として多くを学び吸収し発展させているのが真実だろう。

ドラマの中で清華大学が出てくるのだけど、大学のランク付けでは東京大学を凌いでいることも周知のことだしね。

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第15話はタイトルがコペルニクスだった

ドラマの時代設定は2008年の第29回夏季オリンピック北京大会の前年だ。そこから始まる。

第9話でオリンピック聖火リレーの話が出てきた。

聖火ランナーにクリーン五輪の体現者になることが呼びかけられ、環境保護を国家としても大事にしていることが車のラジオニュースから流れる場面があった。この延長線から考えると福島の汚染水海洋放出を批判するのも当然の論理的帰結だと思えてくる。

先に触れた第11話では文革時代であるが教条的に「実践論」(毛沢東著)を引用しながら「人類の生産活動は最も基本的な実践活動だ」として環境破壊反対を言うものを反革命とする場面があった。結果、自殺した楊冬の母親が若い頃、下放運動で北部営林場に配置され働いていた際、事実と違うにも関わらず嫌疑をかけられ拘束された。そのような暗に文革時代を批判している描写のあるドラマが中国の人々の共感を得たのが現実だし意外で面白いと思った。

SF だからといって未来の話ではない。舞台はほぼリアルタイムの北京等だ。そして、全くリアルタイムの現実の中にSF的怖い事実が潜んでいた。

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学術組織「科学境界」関係者に勧められて

ゲーム「三体」のバーチャル空間に入る

ドラマの冒頭から常人には即理解できない物理学の用語や現象について出てきた。

三重連星などもその現象の一つだ。

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でも連続ドラマも十五回も見ていると登場人物達に親近感が生まれてくるね。

話は違うが、私は1990年代から2000年過ぎまで北京語を学び旅では少しは役にたつぐらいになった

面白かったのはインド・オールドデリーの骨董屋に入ったとき、店主が私を中国人と思ったのか北京語で話しかけてきた。日本人だと自己紹介したものの共通言語は北京語だったのでそのまま話をした。

そんな中国語だけど、長いドラマを見ているうちに記憶が呼び戻されたのか少しづつドラマの中の会話が聞き取れてきた。もう一度中国語に挑んでみるかと、ちょっとその気にさせてくれた。

そんな意外な結果も生じているのだが、まだ半分だ。

15話まで来て、うっすらとだが物語の一端が見えてきたような気になってきたけれど、実際のところ私の想像をはるかに超えた物語の展開があるのだろうな。

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さあ、続きを見るぞ!